「母大樹の家」産地の取り組み 

適材適所・原木を残らず使い切る考え方と技術 

SANY0009.JPGIMG_0624.JPGIMG_0626.JPGIMG_0622.JPG製材所の周囲の山林から伐採される木材の多くは「杉と桧、さわら」もあまり多くは無いが原木として市場に搬入されます。 山林は間伐を必ず必要とするのですが、木材需要の低迷と人手不足もあって間伐されないまま放置されている山林が日本全国いたるところにあり、今問題となっています。 ここで大切なのが「物の考え方」なのです。 生産地では価値のあるものでも消費地である住宅現場では、それほど価値とみなさないものがあり、その反対に産地では価値がなくても、加工の仕方と用途さえ考えれば、宝の山となるものもあります。 伐採された原木を「残らず使い切る」それこそ乾燥機の燃料として使う端材の灰まで使うという徹底した発想とあわせて 半端なサイズ、使い道の見えない木材に命を与える工夫があれば、末端木材価格は圧倒的に安くなり、しかも産地は 十分収益を上げる事が出来るのです。 なぜならば、原木から商品となる歩留まりをほぼ100%に近づけることは、製材所の収益に大きく影響するからです。そして、あまさず使いきる事は大切な日本の森林を活かすことなのです。 間伐材・中目材・短尺材、これらは原木としてみたとき今までの材木や製材業界の常識では、あまり価値のないものでした。 柱を取る事に主眼を置いた製材では、これらの木材は「細すぎる・太すぎる・短すぎ」て柱にはならず利用価値がありません。 それなら、板材にすればいい訳ですが、木材は年輪の中心に近くなるほど節が出てきます。 桧のように「活き節」なら使えますが、杉は特に「死に節」になるので、埋め木をする必要があり手間と経費がかかります。 そしてもう一つ大切な要素があります。 木材は流通しているサイズ、規格が存在します。 その規格に合わない木材は、圧倒的に価格が安くなってしまいます。 でも、寺社仏閣や料亭、数奇屋普請などを除いた一般住宅の場合、実はこんな生産者や材木業者の規格サイズでなければならない理由がないのです。 身近な例えですが、流通現場では「曲がったキュウリや大根、ナスは価値がない」と扱われています。 同様に大切な国産材が規格に合わないというだけで同じに扱われている事を家を建てるお客様は知らないのです。 しかし例え規格に合わない生鮮食品も木材も大切なのは本物だということです。 その素材を活かしててどのように料理するか、どのように家造りに活かすかは、間違いなく消費地である造り手の智恵と工夫しだいです。 二百年住宅「都市型民家・母大樹の家」は産地と智恵を出し合い、流通段階では価値のないと思われている素材、 国産無垢材を豊富に使う仕組みを構築しています。 柱一本、床材にも木材の材種ごとに「無節などの役物・特等・一等」などの等級があり、高いものと安いものでは、十数倍の価格差があるのですが、この仕組みを根本的に変える事によって、国産無垢材を豊富に使って家造りが出来るようになりました。 わかりやすい例えで言うと「大間のマグロ」を大きいものも小さいものも一本丸ごと購入する考え方です。 「マグロの一本買い」は極めて博打性の高い買い方で、よほど熟練した仲買人でも当たりはずれがあります。 そんなリスクを負う事は出来ない寿司屋や魚屋は、解体したマグロの「柵・トロ、中トロ、赤味」など必要なものを 目で確かめてから購入しています。 その買い方は確かにリスクは無いのですが、いいものだけを購入しようとすれば当然高くなるわけで、仲買人のリスクを分担しているともいえるのです。 原木製材もマッタク同様で、製材してみなければ分からない事が多々あります。 しかし、家一棟分の材木として考えれば、製材された丸太の木材を適材適所に使う事が出来るわけです。 柵で買う・柱や梁だけ買うのではなく、家全体の木材として必要な量を必要に合わせてすべて購入することで 今までの常識をすべて壊す家造りが可能になります。 「乾燥された確かな国産無垢材を適材適所に豊富に使う」それでいて価格は一般住宅の価格と何ら変わる事がないのです。 例えそれが「桧普請」「杉普請」でも価格が変わらない、そんな家が「適材適所」と「原木を残らず使い切る」という発想で可能になったのです。



木材の「背割り」はいらない。すべての木材は乾燥材として出荷 

IMG_0631.JPGIMG_0637.JPGIMG_0610.JPGIMG_0613.JPG国産材の乾燥比率は、市場の要求にもかかわらずたったの20%以下というのが現状です。水分を一杯含んでいる 木材が流通しているのも不思議なことですが、家を建てるお客様自身が「知らない・知らされない」ままいることも大きな原因だと思います。薄くスライスする床や壁材は乾燥が簡単だから商品として流通していますが、柱や梁、間柱などの 構造材は未乾燥材が使われています。柱に「背割」をいれているのは、乾燥材ではないためにひび割れをこの場所に集中させる手段なのですが、乾燥した木材なら「背割り」は必要ありません。 背割りをすれば、その背割面は大きく口を開けてしまいます。これでは万一火災が起きれば木材の持つ燃えても「炭化」して火がそれ以上燃え広がらないようにしてくれる能力は発揮できません。 「背割り」それこそ未乾燥材を使っているという証明でもあるわけです。 どんな場所に使う木材であっても、乾燥された木材が望ましいのは言うまでもありません。 ただ、木材費が高くなるから、なかなか乾燥材が手に入らないからという理由だけで、ズブ濡れの国産材を使う事は 国産材の信頼を損なうことにもつながっていくわけです。 そして乾燥材それも大断面材であれば、重量鉄骨で造る大きな工場も安心して造る事が可能になります。



最新鋭の乾燥機・・・・木材を使ってエコ乾燥 

IMG_0644.JPGIMG_0620.JPGP1040089.JPGP1040084.JPGP1040075.JPGP1040069.JPGP1040072.JPG昨今の石油価格の高騰は、私たちの生活も含めて極めて大きな影響を与えています。身の回りを見渡しても石油に依存しないでは、生活が成り立たないといっても過言では無いでしょう。 木材の乾燥機も重油を使って乾燥するシステムが多いため、乾燥にかかるコストも大幅に上昇して製品価格に跳ね返っています。 ところが、この工場は乾燥に使う燃料は、製材工程などで発生するバーク(木材の表皮)やまったく使えない不良材や端材を使います。それこそ原木を余すところなく有効利用することで1500万近い燃料代を節約しているのです。 乾燥機もそれぞれの製品用途に合わせてローテーションを組んで効率よく乾燥させる上、出来上がった製品のストックヤードもその広大な敷地の中にあるため、無駄な輸送コストがかかりません。 乾燥機の数は現在33そして今年も増設をする計画になっています。 産地の仕組みを乾燥に使う燃料も含めて効率的なシステムとして完成させたからこそ、良質の木材が内容に比べて 安く供給できる訳です。、 しかもそれを個人個人の家ごとに木材を供給するシステムの構築を始めました。 産直住宅といっても名ばかりの家造りが多い中で、本物の産直システムが二百年住宅を可能にしたといっても良いでしょう。 なぜならば、市場に流通する製材品は「都市型民家・母大樹の家』にはあまりにも細すぎます。 家づくりの基本理念にあわせて、邸別に原木から製材し、乾燥、流通するシステム構築が欠かせないのです。



国産木材加工の革命「母船式木材流通システム」専門製材 

P1040178.JPGP1040175.JPGP1040174.JPGP1040171.JPGP1040167.JPGP1040149.JPG国産材取引で一般常識と異なるのが、「大量注文すると高い」ことです。 普通は、大量注文すれば価格は安くなるのが常識、ところがこの業界だけは違うのです。 同じような原木を集める事が難しく、そのため伐採費用が余分にかかってしまうからだと彼らは言います。 またせいぜい五人程度で運営している零細業者が圧倒的に多いのが製材業界の特徴ともいえます。 産地に近いところにあるこれらの工場は規模も小さく敷地も山間部のため広くはありません。 この小さな工場で柱や梁を含めた様々な製材をこなしているわけです。 当然原木を大量に買い付けることもないわけで、非効率な製材とコストの高い仕入れがますます市場から受け入れられなくなっています。 しかも、杉材は特に含水率200%以上と水分を多く含み特に中心の赤味の多い心材部は乾燥が難しく、建物完成後に木材の割れや収縮が表れてくるのです。 そんな事は製材業者も流通過程にある問屋や材木屋、そして私たち建築業者は「百も承知」。 だからこそ、天日乾燥が望ましいのですが、敷地も狭く企業規模が小さい製材工場にとっては「製材品」は お金そのもの。 当然、長期間、乾燥のために寝かせておくわけにはいきません。 それならば、人工乾燥をすれば・・・と思うでしょうが、莫大な投資が必要な上、乾燥するために必要な技術の確立が難しいこともあって、人口乾燥機を採用できる会社は日本では少数にとどまっています。 そして、これらの問題をクリアできたとしても「乾燥材を造れば売れるか・・・・・」というとそれが難しい。 そう簡単にはいきません。 私たち建築業者も「いい家を造れば売れるか」というとそうでは無いように、商流というか売るための仕組みが構築できなければ、膨大な設備投資は無駄になり会社の息の根を止めることにもなりかねません。 ようは、原木の仕入れから、柱は柱、梁は梁、板材は板材として専門に工場を運営し、その製品を集積した上で 乾燥機で乾燥するシステムが必要になるわけです。 しかも、乾燥後の製品を養生する広大な敷地と製品を各地に配送するシステムが必須なのです。 日本の製材工場を覗いて見ると分かることですが、悲しい事に木材産地といいながら外材の原木や集成材を扱う製材工場やプレカット工場がほとんどです。 国産材に特化してこそ、山林も豊かになり製材乾燥技術の蓄積も出来るはずなのですが、残念な事にここまでシステムとして考えている産地はほとんどありません。



「母大樹の家」産地の取り組み  

P1040191.JPGP1040130.JPGP1040125.JPGP1000553.JPG日本中どこでも身近なところに森林があります。険しい山々に囲まれた原生林から里山といわれるような平地林まで、この国は本当に緑豊かな森の国だと感じています。ところで家を造る材料の木材は我が国では一部を除いて「杉・桧」ではないでしょうか。特に杉は、有名な秋田杉などに代表される銘木を除いては素材自体が豊富で優れた木材です。 しかし、昨今の国産材の低迷もあって手入れが行き届かなくなっているのが現状です。 桧と比べて、杉は枝打ちなどをしないまま生長した場合、製材時に「死節」となって木材の表面に現れてきます。 著名な産地は、この枝打ちを手間隙かけて行っているため、製材品としての価値が高くなるわけです。 ところが、多くの杉林は険しい山の中にある事が多く、働き手の高齢化や人手不足のため手入れがされていません。 住宅雑誌で見る杉の現しの家の多くは、「うるさいな・・・」と思わず感じるほど節が表れています。 各地で伐採製材される大半の杉は、ほとんどがこのような状態なのです。 「母大樹の家」で使う杉材の多くは、険しい山間部の杉材ではなく、穏やかな丘陵地で育っている上、雪や風の影響は なく素直に育っていて、しかも寒い地域のため年輪も密度が濃く均等な材木です。 樹齢も六十年以上「末口30センチ」以上の木材(中目材)を熟練した製材技術者が、素材の癖や特徴を長年の経験を活かして製材します。 木材、特に杉材だから「節だらけ・死節」はあることは避けられませんが、大切なところに表しで見える柱や梁は その中から厳選した木材を使うにうにしています。